『芙蓉友奈は語部となる』キャストインタビュー Vol.2
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声优访谈Vol.2,搬过来作为备份
『芙蓉友奈は語部となる』キャストインタビュー Vol.2
2023/05/20
現在G'sチャンネルで好評配信中のビジュアルオーディオドラマ『芙蓉友奈は語部となる』。神世紀序盤という時代の過渡期を生きる、2人の“友奈”を描いたイラストノベル『芙蓉友奈は勇者でない』の続編にあたります。
今回はVol.1に引き続いて、芙蓉・リリエンソール・友奈役の照井春佳さん、柚木友奈役の杉山里穂さん、横手すず役の安済知佳さんへのキャストインタビューをお届け! それぞれのキャラクターの魅力や、印象に残ったセリフなどをおうかがいしました!
今夜(5月20日)21時より配信となる第4話とあわせてお楽しみください。
――それでは、ご自身が演じたキャラクターの魅力や、それを特に感じたシーンやセリフをそれぞれ教えてください。
照井春佳さん(以下、照井):リリについては、最初にタカヒロさんがおっしゃられた言葉を胸にしているんです。「頭のいいアホ」っていう(笑)。本当にその通りで、いろいろなところに考えも回るし、空気も読めるし、すごい技術も持っていたり、勇者部をひとりで立ち上げるっていう行動力もあったりしてすごく優秀なのに、アホすぎて残念な子なんです。
実は、初めてリリを演じさせていただいた『ゆゆゆい』の収録の時に、結構キャラ作りに苦戦しまして。台本上ではリリの頭のいい部分とアホな部分の両方が見えるんですけど、最初私の中ではそのどちらにも振り切れなくて、振り幅の小さいリリになってしまっていたんです。そうしたら「この子はすごく頭もよくてすごくアホだから、どちらの底も天井もないし、照井さんの思う通りにやっていい」とディレクションを受けまして。そこで思い切り好きにやらせてもらったら「それです!」とOKをいただいたんです。リリは、私の予想を越えて上にも下にも行くから、それに私はついていくだけなんですよね。それがある意味“友奈”らしさじゃないかなとも思っています。
今回の収録も、予習はしたうえで、まずは現場で実際に2人とかけあってみよう! という感じで挑みました。私は、リリを含めて結城友奈、高嶋友奈、赤嶺友奈と“友奈”を4人演じさせていただいていますけど、結城と高嶋はすごく似ていて、本当に明るくてまっすぐで純粋なんです。赤嶺はちょっとクールっぽい部分もありながら、やっぱりまっすぐなんです。この3人ともあんまり計算をしないタイプなんですよね。そんな中で初めて計算をして、いろいろなことに頭の回るリリという“友奈”が出てきたんです。それなのに3人よりもアホという。そこがもう本当にかわいくて大好きですね! 毎回楽しく演じさせていただいています。
あ、もちろん4人それぞれ大好きではあるんですけど。リリ本人も作品の中でいっていますけど、そのかわいさをぜひみなさんにも感じていただければと思います。
――リリの印象に残ったセリフや好きなエピソードなどはありますか?
照井:四字熟語が大変です! 台本にたくさん散りばめられていて、まずはそれぞれの意味を調べるところから始まるので(笑)。あと、今も少しふれましたけど、リリって自分にとても自信があって「私に任せてくれ!」「私のこのかわいさを~」と自分でいうような部分があるんですが、そこが個人的にとても好きです。あれだけ自信があるからこそすごく輝いているし、それでいて高飛車にならない愛嬌も持っているんです。
もう1つ、物語後半の核になるところでは、今まで見せてきたリリの陽の部分とは違ったところが見えて、すごく印象に残っています。そこは家で読んでいても思わず泣いちゃうくらいの内容だったんです。リリも珍しく落ち込むんですけど、そばに柚木くんとすずくんがいてくれたことは本当に宝物だな、と思いました。
杉山里穂さん(以下、杉山):あんなに落ち込んだリリはあまり見たことがなかったので、どう慰めたらいいのかすごく迷いましたね。いろいろ考えたんですけど、結局本番に任せよう、と。というのも、今回は柚木だけじゃなくてすずもいてくれたので、いっしょに慰めてあげられるんじゃないかなって思ったんです。今回の物語は、この3人で支え合えていた感じがありました。
照井:支えられたよ~(しみじみ)。
安済知佳さん(以下、安済):それにしては、すずはもうちょっと心配してあげてもよかったんじゃないかな(笑)。私個人の感情では、もっとリリちゃんに寄り添いたいんだけど、すずがそこまで表に出さないんですよね。彼女は彼女なりにリリちゃんを心配しているんですけど。
杉山:でも、そこでケロッとしているのが逆にいいんですよ。
安済:リリちゃんのちょっと弱い部分が見られたことと、前半との落差で私もそのシーンは印象に残っています。思わず守ってあげたくなるような気持ちになりました。あと、個人的にもう1つあるんですけど、うどんを最初に2人が食べているシーンですね。それを見て「あっ、うどんのシーン! 名物だ!」って(笑)。
照井:「蕎麦でもラーメンでもなくうどん!」って、その時いってくれた言葉を覚えてる(笑)。
安済:うどんをすする音も本当にうどんなんですよ! 何年もすすってきた貫禄がありましたね、照井さんには。
杉山:照井さん本当にお上手なんですよね、生で聞けて感動しました。
安済:それを聞けたあとに、自分でもうどんをすすったことで『勇者である』シリーズの世界観に登場していることを改めて実感しました。
照井:さすが分かってる! このシリーズはうどんだから!
安済:あとはお2人のコミカルで軽快なテンポがとても印象に残っていますね、そこを聞いて私も入っていこうという意識を高めていたので。
――では、柚木についてはいかがでしょう?
杉山:『ゆゆゆい』では、その世界に飛ばされてから、自分がやればいいんだろ! って吹っ切れるターニングポイントみたいなのがあって、勇者になったり、チェーンソー振り回したりしていました。この作品は『ふゆゆ』(『芙蓉友奈は勇者でない』)を経ての物語なんですよね。一番最初の柚木友奈は“友奈”という名前を持っているのに、自分が特別ではないことにコンプレックスを抱いている女の子だったんです。でも、私はなにもできないし、普通の女の子だ、といっている中で結局リリのために動いて、リリのことを救って、自分のこれまでの“友奈”へのコンプレックスを断ち切ってリリのために変わっていく。ある意味、リリの勇者みたいなところがあったんですよね。そんな『ふゆゆ』の物語が私は大好きなんです。
今回は、その吹っ切れたあとの物語ということで、ちょっと変わったあとの柚木くんをどう演じようかすごく楽しみにしていました。まだ『ふゆゆ』のあとの会話ってまだしたことがなかったですし。私自身としては、掛け合いが初めてでもあったのでちょっとドキドキしていたんですが、すんなり入ることができて、こんなにも楽しいんだと感じました。『ゆゆゆい』の中で演じた『ふゆゆ』の冒頭とは明らかに違う会話劇がリリとできていて、これまでの2人とは違う雰囲気なんです。
照井:さらに関係が進んでいるよね。
杉山:そうです、関係値が進んでいてすごく楽しかったです。印象に残っているところでいうと、冒頭の何気ない2人のやりとりです。巫女服のくだりとか、深夜にいきなり呼び出されるくだりとか……。
照井:あそこいいよね、柚木くんが何回も電話切っちゃうとこ。
杉山:ですよね! あと、私も最初の役作りにはすごく苦戦したんです、思ったより強めに感情が出てしまって。そこで「リリの楽しさに乗っかりがちになるけど、あえて乗っからないでスルーしていってほしい」と言われました。何度か繰り返していくうちに「ああ、柚木くんはリリのことは好きなんだけど、好きだからこそスンとしてかわしていいんだ」というのが分かってきました。
照井:信頼関係がないとできないよね。普通は嫌われるかも、って思っちゃうから。お互い絶対嫌わない、って分かってるからこそできるんだよね。
杉山:そうなんですよね。根底にリリ大好き、があるからこそできることだと思います。その冒頭のところも、スンとした柚木くんとリリとのやり取りがあって楽しかったです。
あと、すずが入ってきたことによって、柚木くんがもっとくだけた気がしていて。その感覚はリアルタイムに3人の会話が進む中で築かれていったな、と思いますね。柚木くんがすずと出会ってからの変化もきちんとあって、2人からいろいろな影響を受けて、今の柚木くんがいるんだな、って感じられました。
安済:私は、柚木くんがすずを紹介してもらうために、自分のちょっと嫌な過去をぐっと胸に抑えて、リリのためにちゃんとその場を設けてあげるところが印象に残ってます。なんていい子なんだ、かっこいい! って思いました。
照井:柚木くんは、たまにリリへの愛がにじみ出てるよね。「かわいさは負けてないと思うけどな」みたいなセリフとか。あのセリフ私が嬉しすぎて。アドリブですきすきすき! っていっちゃったんですけど、あれ使われてるのかな(笑)。たまにそういう愛が出るよね。
杉山:ドデカい愛なんです。リリの好きっていう小さいハートに、ドデカいハートで返すみたいな。
照井:でも、2人だけで仲よしなんじゃなくて、きちんと3人で仲よしなんだよね。
安済:うんうん。でも、すずって一番は高嶋様だから。
照井:(笑)。高嶋のことになるとひとりでも楽しそうだもんね。放っておいたら多分ひとりで延々しゃべってそう。
杉山:あのリリがツッコミに回るくらいですから(笑)。
照井:だからこそ、リリたちは自然体でいられるのかも。
安済:そうか、すずはベクトルが完全に2人へ向いているわけじゃないから、2人の関係が壊されるわけじゃない。程よい関係なんだ(笑)。
照井:ステキな関係だー。でも、すずちゃんは義理堅いから! わざわざ遠くから来てくれますし。
杉山:そう、優しいんですよね。
安済:始発の特急でね。私も距離を調べましたけど、行動力がすごい。
そばに柚木くんとすずくんがいてくれたことは本当に宝物(照井)
すずと出会ってからの変化もきちんとあって、2人からいろいろな影響を受けて、今の柚木くんがいる(杉山)
『芙蓉友奈は語部となる』第2話より/イラスト:かんの糖子
――そのすずについてはいかがでしょうか?
安済:すずは高嶋友奈様のことしか考えていない、その想いだけで生きている女の子です。高嶋友奈様への想いを語る時は、もう細胞全部を使ってしゃべるくらいの感覚でした。
照井:後ろで見てましたけど、髪の毛立ってる! って感じるくらい全身で演じられてました。
安済:(笑)。でも、それ以外のことは一気にスッと熱量がなくなるんです。シナリオを最初に読んだ時から、そのオンオフの差がすさまじい子なんだな、と感じていたんです。つい直前まで勢いで熱く語っていたのにいきなり冷たくなるところもあって。その落差をつなげるためにいろいろと考えましたね。その結果、とにかく高嶋友奈様のことが一番、というのを軸に演じさせていただきました。
でも収録では、本当に思った以上に体に負荷がかかりましたね。すずはオタク気質、というわけじゃないですが、1つのものに対しての愛が本当に強い子ですね。こういう子はなかなか演じたことがなかったかも。
照井:高嶋好きがすごすぎるせいで、ついその印象が強くなっちゃうんですけど、やっぱりすごく優しいですよね。柚木くんにもリリにも言葉をかけてくれるんですけど、それがとてもナチュラルで。本人がカラッとしているからこそ余計に染みるんです。
杉山:あとは、高嶋様のためならどこへでも! という行動力もすごいですよね。ついていけばどこへでも行けるし、元気ももらえるし、絶対に友達にいたら楽しいタイプ。
照井:シンプルに友達として最高だよね! すずちゃんは一番友達にほしいタイプかもしれない。
杉山:私、高嶋様への想いの爆発のさせ方も好きです。マニア的に熱く語っている時もすごくカラッとした感じで、見ていて全然気持ち悪くないどころか、逆にとても気持ちいいんですよね。
安済:でもアレは気持ち悪くないとダメじゃない?(笑)
照井:気持ち悪い、と思う暇もないくらい勢いがすごいから。今思いましたけど、私、語彙力豊富なところも好きかもしれない。興奮してるのに、すごくきれいな文章をペラペラしゃべるんですよ。
安済:そう、それ!
照井:(笑)。
安済:スピードが速くて、もうセリフに目が追いつかないし、気持ちをリンクさせるのが大変でした。でも楽しかったです!
照井:聞く側としては楽しいよ(笑)。芝居上では気持ちを引かなきゃいけないシーンがあったりするんですけど、自分で意図して引こうとしなくても、勝手に気持ちが引けちゃうくらいの勢いがすずちゃんにはありました。
安済:オタク特有の早口と呼ばれるような口調をがんばりました。
――すずといえば、作品内で動画プロデューサーとしての才能も見せていましたね。
照井:そうそう! 高嶋以外にも燃えてくれてた。あとイケメンにも弱いんでした。
安済:少女マンガ的なときめきシチュエーションも大好きなうえで、高嶋様が一番という子なんだよね。
杉山:リリと柚木をノせておいて「正気に戻ったか」っていうところが私好きです!
安済:あそこは本気で舌打ちしたからNGかな? と思ったんだけど、スルーされました。あれでいいんだ(笑)。
照井:そのあとも諦めずに2人を洗脳しようとしてたの、いいよね。
安済:そこの2人の対比もすごく好き。リリちゃんはまた騙されそうになってて、柚木くんは「ん?」って疑問に感じて「違うだろ!」とツッコむところとか。もしかしたら、あの時間が3人の絆を深めたのかも。あの時に3人としての会話の心地よさができあがった感じがしますね。
――では、最後になりますが、本作を楽しみに待つファンのみなさまへ向けて、ひと言ずつメッセージをお願いします。
照井:本当にシンプルにおもしろいです! かけ合いの笑いもあるし、シナリオ上の涙もあるし、絶対に聴いてほしいと心から思っています! 3人でのかけ合いがすごいですし、なによりみなさんにすずちゃんを知ってほしいです! こんな子がいるんだ、実はこんな隠し玉がいるんだ、ということを。絶対すずちゃんを好きになると思います。このインタビューを読んだ人は絶対みんな聴いてください! その期待は絶対裏切りませんので、ぜひよろしくお願いします!
杉山:今すぐ録ったものをいただいて、家に帰って聴いて笑いたい! と思っているほどにこの作品はおもしろいので、ぜひみなさんにも聴いてほしいです。
昨年10月末に『ゆゆゆい』のサービスが終わってしまい、これで『ゆゆゆ』が終わっちゃうのかな、と思っていた中での発表だったので、まだシリーズの続きを見られるんだ、と私自身もすごく嬉しかったです。まだシリーズは終わってないぞ、我々の勢いがあるぞ、というのを感じてほしいです。ぜひ楽しみにしていてくださいね。そして、これからもみなさんと『勇者である』シリーズをいっしょに盛り上げていけたらと思います。
安済:私は今回がシリーズに初参加ということで、最初はドキドキしながらの収録でした。いただいたシナリオにはト書きがあまりなかったんですけど、それぞれのセリフが変に説明くさくなくて、読んでいて会話劇としてすごく楽しかったです。
すずの事前情報が少なくてどう演じようという悩みはありましたが、シナリオのおかげで結構見えてくるものがありましたし。時々難しい言葉が続いたりもするんですけど、3人の会話はスルスルと入ってくるんですよね。このテンポの気持ちよさがシリーズの魅力の一つなのかも、と自分なりに思い、それを大事に現場に臨みました。なによりお2人といっしょに収録でき、かけ合いできることが本当にありがたくて、素晴らしい形でこの世界観にふれさせていただきました。
今回、これまでの世界観を壊さないようにしながらも、新しい風として入れるようがんばりました。私自身としてはとても楽しい収録でしたので、この私達3人の会話感に音楽などがついたら、もっとこの世界が色鮮やかに広がって聴こえるんじゃないかなと思っていますし、完成したドラマががどんなふうになるのか楽しみにしています。今まで『勇者である』シリーズを応援してきてくださった方々にはもちろん、私のようにこれからシリーズに入る方にも楽しんでもらえたらと思います。これからもどうぞよろしくお願いします!
すずちゃんは一番友達にほしいタイプかもしれない(照井)
私のようにこれからシリーズに入る方にも楽しんでもらえたら(安済)
『芙蓉友奈は語部となる』第3話より/イラスト:かんの糖子
2回に分けてお送りしてきました、キャストインタビュー。それぞれのキャラクターのことについてはもちろんのこと、演じられてきたからこそ分かる3人の機微や関係、好きなシーンについてもみなさん熱く語ってくださいました。
このインタビューを読んだあとに、改めて聴き直すといろいろな発見があるかも!
『芙蓉友奈は語部となる』は現在G'sチャンネルとYouTube 電撃G'sマガジンチャンネルにて隔週で最新話が配信されていますので、ぜひ聴いてみてくださいね!
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